Blog(2) 心理学:ブログを毎日続けたい!習慣・ルーティーン形成のための心理学

2025.10.10

祝!ウェブサイト&ブログ解禁!これから毎日コラムの更新を続けていくぞ!
と意気込んでいた昨日ですが、気づけば二日目の夜、今日も残すところ少しとなってしまいました(笑)

三日坊主という言葉があります。
今回こそダイエットがんばるぞ!毎日少しずつ運動をするぞ!よし、今年こそ食習慣の改善を!
この世界では毎日、何千、何万、何億もの意気込みが生まれ、翌日にはなぜかやる気をなくし、あぁ、面倒くさい…。まぁ、いっか!となっていくわけです。
ですが。本当に、今回は、コラムの投稿を長く続けていきたい私。さて、どうしましょう。

では早速、心理学研究に聞いてきましょう
題して、「ブログを毎日続けたい!でも面倒くさい… 習慣・ルーティーン形成のための心理学」
論文をさらっと検索してみました、今回はこちらのレビュー論文を見てみましょうか。医学系の科学雑誌ですが、習慣とルーティーン形成の重要性と方法について書かれています。
Arlinghaus, K. R., & Johnston, C. A. (2019). The importance of creating habits and routine. American journal of lifestyle medicine, 13(2), 142-144.
https://doi-org.uaccess.univie.ac.at/10.1177/1559827618818044

この論文は「1日1個のりんごは医者いらず」ということわざの引用から始まっています。
リンゴのように栄養価の高い食べ物を1日1つ食べることは健康維持に重要ということを示唆する有名な謳い文句ですね。
この文句で「リンゴ」は間違いなく重要ですが、心理学的に一番大事な部分は「1日1個」です。
つまり、栄養のあるリンゴを一日にたくさん食べることはもちろん可能だけども、長期的な健康効果を目指すためには、少しずつでも長く続けていくことが大事になります。
それが、本当に難しいんですよね。もちろん個人差はありますが、習慣やルーティーンの形成には基本的に長い時間がかかります。
この論文の中でも指摘されていますが、「フルーツを食べる」「水を飲む」といった健康的な飲食行動の習慣形成には平均して66日ほどかかるそうです(Lally, 2010)。

ではどうするか、この論文ではいくつかのやり方が紹介されていますが、まず私が面白いと思ったのは「習慣」と「ルーティーン」の違いについてです。
皆さん、習慣とルーティーンの違い、なんだと思いますか?

まず習慣は、なにか先に起こるイベント(cue)に付随して起きる行動になります。たとえば「トイレに行った後に手を洗う行動」。ここでの手を洗うという行動は、トイレに行くという行動に付随して起こるので習慣に分類できます。
対してルーティーンは、先に起こるイベントを必要としません。より自発的な行動ですね。そしてルーティーンの形成には、一日の行動の選択肢を減らしてあげる。つまり、前の日に次の日のToDoリスト、その時刻表を決めてあげて、それに従うだけで一日が完結するような方法が有効だそうです。選択肢が開かれていると私たちは楽なものを選ぼうとしますから、これは納得ですね。
それと、旅行など、短期的に習慣やルーティーンが実践できない場合でも、帰ってきた後に再開すれば基本的に習慣形成に大きな影響はないそうです。

以上を踏まえて、ブログを習慣として取り入れたい場合には、何か先行イベントを決めてやって、そのあとにご褒美行動(報酬)を設定してやるのが良さそうです。
ブログをルーティーンとして取り入れたい場合は、日程表みたいなものを作るのが効果的ですが、今仕事が少しバタついているので、こちらは仕事が落ち着いてからやってみましょうか。

では次に、何を先行イベントとして、何を報酬にするかを決めましょうか。
ブログを書くのは朝のうちに済ませておきたいので、先行イベントは何か朝起こることにしましょう。そうですね、私は毎朝犬の散歩に行くので、「散歩から帰って、犬に朝ごはんをあげる」。これをしばらくの間先行イベントとして設定しましょうか。そしてブログ投稿の報酬ですが、コーヒーにしましょう。朝は絶対コーヒー飲むからね!
これで一度、ブログ更新行動を習慣化してみましょうか。
「散歩から帰宅、犬の朝ごはん」(先行イベント)→「ブログ更新」(ターゲット)→「朝のコーヒー」(報酬)
これでやってみましょうか!

「一番の実験体は自分自身」と有名な心理学者が言ったと聞いたことがあります。
自分自身に心理学雑学を試すこともまた、心理学者としての醍醐味の一つかもしれません。

本日の引用文献
1. Arlinghaus, K. R., & Johnston, C. A. (2019). The importance of creating habits and routine. American journal of lifestyle medicine, 13(2), 142-144.
2. Lally, P., Van Jaarsveld, C. H., Potts, H. W., & Wardle, J. (2010). How are habits formed: Modelling habit formation in the real world. European journal of social psychology, 40(6), 998-1009.

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