Blog(18) 日常:Dom Museum特別展、『仕事』とは?

2025.11.06

オーストリアの人口は約900万人。そのうち、約200万人が首都、ウィーンに住んでいます。

ウィーンの街は比較的小さく、2日もあれば大体の観光地を回ることができますが、その小さな街の中にはなんと200以上の美術館・博物館があります。

さすが芸術の街、大きな美術館から、教会の中、知らなければ見過ごしてしまいそうな小さな博物館まで、本当にたくさんの展示が街中で開催されております。

先週土曜日、ちょうど体調を崩す前、シュテファン大聖堂の真横にあるDom Museumで開催されている特別展を見に行きました。

「Everything is in progress」というタイトルで、昔から現代まで、「個人、社会と仕事」をテーマとした展覧会です。最近日本のニュースでも、ワーク&ライフバランスみたいなコンセプトが話題になっていると聞きました。タイムリーな展示ですね。

Dom Museumは、いわゆるメジャーな美術館として名前があがることは少ないですが、その大きさと空間、コレクション、キュレーション全てのクオリティが高く、私のお気に入りの美術館です。あまり人も多くないので、時間をかけて、一つ一つの作品を、誰にも邪魔されずじーっくりと見ることができるのもポイント。クリムトのKissのあるベルベデーレ美術館、現代美術コレクションで有名なアルヴェルティーナも、もちろん素晴らしいのですが、私は美術館で人疲れしやすいので、すぐ外に出てしまいます(笑)

そんなDom Museum特別展から、私のハイライトをご紹介。ウィーンの美術館は基本写真撮影OKなので、お気に入りの作品はいつも写真をパチパチ撮っております(笑)

まず展覧会の入り口にあるキャプションですね。

「この展覧会は、皆さんが『仕事』について考えること、それを促すことを目的としています。私にとって『仕事』とは何か、それは強制、充実、安心感を得るためのものなのか。何が仕事であり、そうでないか、決めるのは誰なのか。そして本当に全ては work in progressなのか。」

私たちが一日の多くの時間を費やす仕事。生活のため、お金のため、自分のため、社会のため。仕事の背景にはさまざまな理由があります。個人にとって仕事は、家族やパートナーと過ごす以上の時間を費やす場所であり、職場の環境・人間関係は生活水準にダイレクトに影響します。自分にとっての仕事は何か、こういう内省的なプロセスを促す展示、私は大好きなのです。あはは。

入口正面に見えるこの縦長の絵が、今回一番のハイライトでした。構図、配色、コンセプトに私の目が惹かれていきます。

この部分の展示でも垣間見えますが、Dom Museumが好きな理由の一つがその展示方法です。スタイル・コンテンツの違った作品を混ぜながら展示するスタイルは、心理学的観点から見ても、飽きや慣れを予防する効果が期待でき、理にかなった展示方法です。

次のハイライトは、労働者の魂と感情を色で表現した作品でした。一日の中でも、一週間の中でも、私たちのモチベーションや気分は本当に移り変わっていくものです。自分の感情が色付きで見えたら、どんな生活になるんでしょうね?

昔の人が使っていたプランニングシート。私もプランニング大好きです(笑)

なにを仕事とするか、これは簡単そうに見えて実に難しいですよね。お風呂に入りながら実験のいいアイデアが思いついたり、通勤途中に論文の構成を考えたり、パソコンやノートがなくても私は「仕事モード」に、簡単に入りこむことができます。メールやクラウドサービスがある今は、基本的にいつでも、どこでも、仕事をすることが可能ですし、以前よりも仕事が生活の一部に溶け込みやすくなりました。

そんな社会の中で、私たちは何を仕事として、なにを仕事としないのか。みなさんは、どう考えますか?

Bis Bald!

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