心が動く体験を。
Aesthetic Experience
Aesthetic Experience(感性経験)に関する心理学は、今注目を集める新しい研究分野です。私はウィーン大学で、この分野を切り拓いたパイオニアたちとともに、Aesthetic Experience(感性経験)を社会に実装し、社会問題を解決するための最前線の研究に取り組んでいます。 Aesthetic Experience―それは、ふとした瞬間に訪れます。道を歩いているときに小さな花を見つけて「あ、きれいだな」と心が動く瞬間。いつもの料理が「今日は少しおいしく作れたな」と感じるとき。音楽やアート、自然に触れ合う中で心がふわりと揺れるあの瞬間。 なにげない日常のなかで、ともすると見過ごしてしまいそうなことに気づく。感覚が感情へと鮮度を持って放たれ、立ち上がってくる経験。それは何かを見る、聞く、触る、食べることで知覚され、嬉しい、楽しい、悲しい、苦しい、私たちの心と体を深く揺さぶる経験となります。 私の研究では、こういった体験がどのように認知され、構成され、どんなふうに心や身体の健康、社会的なつながりを育むのか。私たちの毎日をどうやって彩っているのかを解き明かそうとしています。 Aesthetic Experienceの可能性を、ひとりでも多くの人に届けたい。そして前を向いて生きる力の種になることを願っています。
三國 珠杏
ウィーン大学 心理学部
認知・感情・心理学方法論学科
お知らせ
都市空間における感性経験に関するスコーピングレビューがCities & Healthに採択されました。
公共アートが通行人の行動に与える影響についての論文がFrontiers in Psychologyに掲載されました。
コラム
講演・イベント
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国際人間行動学会 「都市公共空間におけるマルチセンサリー経験」4日間ワークショップ
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